クイックアンドダーティ(Quick & Dirty)で仕事の質が上がる?

クイックアンドダーティ(Quick & Dirty)で仕事の質が上がる?

クイックアンドダーティ(Quick and Dirty)という言葉を知っていますか?

クイックアンドダーティは、迅速に仕事を進めるための手法です。完璧を求めずに迅速に結果を出すことに焦点を当て、フィードバックを重視しながら最終的な品質を高めることを目的とした方法です。

筆者自信、クイックアンドダーティの考え方によって大きく人生が変わったと言っても過言ではありません。仕事には答えのあるものだと思って、あたかも学生時代の勉強のように品質の高いものを一人で作り上げることを目指している時期がありました。

ですが、この考え方を知り目から鱗が出ました。仕事は一人でするものではなく、壁打ちをしながら、目的のために何度もフィードバックを繰り返した方が品質高く、しかも圧倒的にスピード感が異なると実感したのです。

この記事では、クイックアンドダーティのメリットとデメリット、そしてどのような仕事や職種に適しているかについて詳しく解説します。本当にこの手法は有効だと自信をもっておすすめできますので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むとわかること

・クイックアンドダーティとは何かわかる

・クイックアンドダーティのメリットや有効な場面がわかる

・クイックアンドダーティを活用しやすい仕事がわかる

この記事を書いた人

古川賢人

古川賢人 事業開発.com編集長/株式会社イフビズ代表取締役
事業家、起業家。ベンチャー企業創業および事業開発〜運用、大企業での事業開発〜運用まで経験。世界的経済誌Forbesにてアジアで活躍する30歳未満のリーダー人材(Forbes 30 Under 30 Asia 2021)として選出された他、グッドデザイン賞、日本ギフト大賞、ACC等受賞経験あり。事業開発人材=事業家の働きやすい環境作りや事業家育成が企業成長及び経済成長の鍵と考えている。

目次

クイックアンドダーティについて

まずはクイックアンドダーティそのものについて解説していきます。

クイックアンドダーティ(Quick and Dirty)とは

クイックアンドダーティでは 50点を目指せば5回のフィードバックで約100点に近づく
クイックアンドダーティでは 50点を目指せば5回のフィードバックで約100点に近づく

クイックアンドダーティは、スピードを優先し、細部の完璧さよりも迅速なフィードバックを駆使することで改善を繰り返し、最終的な品質を高める手法です。

クイックアンドダーティの基本的な考え方は、「完璧を目指さないこと」にあります。完璧さを追求することで時間とリソースを消耗するのではなく、最低限の要件を満たすことで早期に結果を出し、その後のフィードバックを元に改良を加えていくプロセスを重要視します。

50点を目指せば5回のフィードバックで100点に近づく

・1回目:50点

・2回目:50点+50点×50%=75点

・3回目:75点+25点×50%=87.5点

・4回目:87.5点+12.5点×50%=93.75点

・5回目:93.75点+6.25点×50%≒97点

このように、何度もフィードバックを繰り返すことで正解へ近づくことが可能です。

仕事の目的と手段を切り離す

クイックアンドダーティでは、仕事の目的と手段を明確に切り離すことが重要です。

「自分一人でやりきる」「あまり質問しすぎると迷惑がかかる」のような手段上課題となりうる考え方を取り除き、目的だけを追求して進みます。

「仕事はプロセス」か「仕事は結果」かと問われれば、多くの方が「仕事は結果」と回答するでしょう。そのためには、プロセス上有効に働くクイックアンドダーティをを取り入れることは非常に有益なのです。

質の高い仕事はフィードバック回数に依存する

質の高い仕事を実現するためには、フィードバックの回数が重要です。クイックアンドダーティでは、早期にフィードバックを得ることで、問題点を迅速に修正し、最終的な成果物の品質を高めることができます。

1回のフィードバックよりも2回、3回とフィードバック回数が多い方が課題への対応策はより鮮明になります。フィードバックの回数は、仕事の質に影響するのです。

改善を重ねることで、最終的には期待を上回る成果を出すことが可能です。クイックアンドダーティは、このようなフィードバックサイクルを効率的に回すための手法と言えるでしょう。

クイックアンドダーティのメリット

さて、クイックアンドダーティのメリットについて、具体的に見ていきましょう。

仕事が早くなる

クイックアンドダーティを導入する最大のメリットは、仕事が早くなることです。完璧を目指さず、まずは最低限の基準を満たすことを目標にするため、迅速にタスクを完了させることができます。その結果、タスクやプロジェクトの進行速度が上がり、早期に結果を出すことが可能になります。

仕事が早いことは評価指標として非常にわかりやすく、会社内でも有用な立ち位置を構築することに役立つはずです。

仕事の質が高くなる

一見矛盾するようですが、クイックアンドダーティは結果的に仕事の質を高めることにも繋がります。早期のフィードバックを重視するため、問題点や改善点を迅速に発見し、修正することができます。これにより、最終的な成果物の品質が向上します。

また、迅速なサイクルでフィードバックを得ることで、予期せぬ問題や新たなニーズに対しても柔軟に対応することが可能です。クイックアンドダーティを実践することで、迅速かつ高品質な成果を得ることができるのです。

クイックアンドダーティのデメリット

対して、クイックアンドダーティにもデメリットがあります。使い所を間違えないように注意しましょう。

伝え方を間違えると失礼になる可能性がある

クイックアンドダーティを実践する際には、伝え方に注意が必要です。スピード重視の手法であるため、相手に対して失礼な印象を与えてしまう可能性があります。特に、顧客やクライアントとのコミュニケーションでは、迅速な対応が必要であることを理解してもらうための丁寧な説明をしてください。

筆者としては、顧客へのフィードバックを求める際は複数回社内でのクイックアンドダーティを行ってからのほうが良いと考えます。顧客離れにつながってしまっては元子も子もないので、ある程度のクオリティになってから顧客に展開するようにしましょう。

報連相の粒度を細かくしすぎない

クイックアンドダーティでは、報連相(報告・連絡・相談)の粒度を細かくしすぎないことが重要です。必要最低限の情報を迅速に共有することで、スムーズなコミュニケーションと効率的な業務遂行を実現します。しかし、情報の共有が不十分であると、後々の問題に繋がる可能性があるため、バランスが求められます。

筆者としては50点をラインで考えています。例えば20点で報告してしまっては、相手からの期待値を過剰に下回る結果となってしまうため、信頼関係を毀損する恐れがあります。50点は最低でも確保してからフィードバックを求めるようにしてください。

クイックアンドダーティが有効な仕事

クイックアンドダーティが有効な仕事について考えていきましょう。どの仕事でもこの手法自体を有効活用する場面はあると思いますが、特に有効な仕事内容を理解することで、適切にクイックアンドダーティを活用することが可能です。

目標への手段は問わない仕事

クイックアンドダーティは、目標達成の手段を問わない仕事に向いています。迅速な結果が求められる場合に、この手法は非常に有効です。

短期間での成果物作成と迅速なフィードバックの取得が求められるプロジェクトにおいて、その効果は顕著です。例えば、製品の市場投入時期が競争優位性に直結する場合には、クイックアンドダーティを活用することで、他社に先駆けて製品をリリースし、市場の反応を迅速に確認することが可能となります。

早さと納期が価値となる仕事

納期が厳しく、スピードが価値となる仕事にもクイックアンドダーティは適しています。例えば、イベントの準備や短期間でのプロジェクト実施など、時間制約がある場合に、迅速にタスクをこなすことで成功を収めることができます。

イベントの運営やマーケティングキャンペーンなど、時間的制約が厳しいプロジェクトでは、迅速な対応が求められます。このような場面では、完璧を目指すよりも、必要最低限の要件を満たしながら迅速に動くことが重要です。

クイックアンドダーティの手法を活用することで、時間内にプロジェクトを成功させるための柔軟性と迅速性を発揮できます。

クイックアンドダーティに向いている職種

最後に、クイックアンドダーティの活用が向いている仕事をご紹介します。

事業開発

事業開発の分野では、クイックアンドダーティが特に有効です。新しいビジネスモデルや市場を迅速に検証するために、この手法を活用することで、迅速なフィードバックを得て、素早く方向修正を行うことができます。

新しいビジネスアイデアの検証や市場投入の際には、素早く動くことが成功の鍵となります。市場の変化に迅速に対応し、顧客のニーズに合わせて製品やサービスを改善していくことで、競争優位を保つことができます。クイックアンドダーティを活用することで、迅速な市場投入と柔軟な改善が可能となり、事業開発の成功確率を高めることができます。

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コンサルタント

コンサルタント業務でも、クイックアンドダーティは有効です。クライアントの課題を迅速に解決し、成果を出すことが求められるため、この手法を用いることで、短期間で効果的な解決策を提供することが可能になります。

コンサルタントは、クライアントの多様な課題に対して迅速に対応することが求められます。クイックアンドダーティの手法を活用することで、短期間での問題解決と成果の提供が可能となります。

まとめ

クイックアンドダーティは、スピードとフィードバックを重視した手法であり、適切に活用することで仕事の効率と質を向上させることができます。

今までこの手法を活用していなかった方であれば、成果達成に向けた早さが劇的に変化することと思います。筆者自身も劇的に働く早さと質が変化しました。

ぜひクイックアンドダーティを身につけて、最良の仕事に役立ててくださいね。

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この記事を書いた人

古川 賢人のアバター 古川 賢人 事業開発.com編集長/株式会社イフビズ代表

事業家、起業家。ベンチャー企業創業および新規事業開発〜運用、大企業での新規事業開発〜運用まで経験。世界的経済誌Forbesにてアジアで活躍する30歳未満のリーダー人材(Forbes 30 Under 30 Asia 2021)として選出された他、グッドデザイン賞、日本ギフト大賞、ACC等受賞経験あり。事業開発人材=事業家の働きやすい環境作りや事業家育成が企業成長及び経済成長の鍵と考えている。

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