事業家とは?起業家、実業家、経営者との違いと共通する特徴について理解してキャリアアップを目指そう!

「事業家、起業家、経営者、どんな違いがあるのだろう…?」

「どれも凄そうだけど、キャリアとして何を目指すのが向いているのだろう…?」

自分のキャリアについて悩んだ際に、いわゆる「高い役職」を目指そうと考える方も多いのではないでしょうか。実際にビジネスシーンで名刺交換する際に、「事業家」や「経営者」とわかると、背筋が伸びる経験をしたこともあるでしょう。彼らは一般的に「えらい」と評価されます。そして「えらい」は「すごい」と変換されやすいです。背筋が伸びたのは「すごい」と思ったからに他ならないのです。

せっかくビジネスを何十年も行うのなら、「すごい」といわれるキャリアを目指す方が、きっと面白いかもしれません。そのため、これからキャリアを切り開いていく際には、事業家、起業家、経営者などの一見似た言葉をきちんと理解し、明確なゴールイメージを持つことが非常に重要です。

ここまで読み進めて、自分のキャリアのゴールイメージがはっきりしている人は、記事を読まなくても問題ないでしょう。ですが、キャリアのゴールイメージがまだついていない方は、まずは言葉の意味をしっかりと知ることからはじめてみてください。言葉の意味を理解することで、将来像を具体的にイメージしやすくなります。

※ちなみに筆者の事業家・起業家を名乗っておりますが、肩書きの意味を明確に知った上で活用しております。

言葉の意味を知った後は、「すごい」キャリアを持つ人が共通して持っている特徴についても触れますので、ぜひ参考にして下さい。

この記事を読むとわかること

・事業家、起業家、経営者など似た言葉の意味がわかる

・事業家、起業家、経営者などの共通の特徴がわかる

・自分の目指すべきキャリアイメージがつく

この記事を書いた人

古川賢人

古川賢人 事業開発.com編集長/株式会社イフビズ代表取締役
事業家、起業家。ベンチャー企業創業および事業開発〜運用、大企業での事業開発〜運用まで経験。世界的経済誌Forbesにてアジアで活躍する30歳未満のリーダー人材(Forbes 30 Under 30 Asia 2021)として選出された他、グッドデザイン賞、日本ギフト大賞、ACC等受賞経験あり。事業開発人材=事業家の働きやすい環境作りや事業家育成が企業成長及び経済成長の鍵と考えている。

目次

言葉の意味について

言葉の意味について
言葉の意味について

まずは言葉の意味についてしっかりと理解していきましょう。各言葉が、どのような責任や専門性を持っているのか理解してください。

事業家とは

事業家とは、「事業を作る人」を指します。

事業を起こす人や、事業運営を専門で行う人、事業自体に大きな責任を持ち前進させるのが事業家です。経営は対象外ですので、経営関与していなくても事業家となります。

事業家は、あくまで事業を作る人ですので、非常に幅広い言葉です。例えば、起業家の多くが自ら事業を作っておりますので、事業家に含まれます。また、会社で働いていても、事業を立ち上げたり、事業の拡大を担っている場合は、事業家と呼ばれます。

事業開発.comでは、事業開発人材(「新たな事業やサービスを立ち上げ、拡大する仕事」に就く人材)を事業家と呼んでおります。事業開発職種の方は、ぜひ自信を持って事業家と名乗ってください。

・必ずしも起業する必要はない

・経営ではなく事業のみが対象

・事業開発職種も事業家に含まれる

起業家とは

起業家とは「新たな事業を起こし、運営する人」を指します。基本的に、会社を自ら設立し、事業運営を行う人だと認識してください。2代目社長のような企業継承者は起業家ではありません。

起業家という言葉は幾度となくブームになっているので馴染み深いと思います。有名起業家も多数いらっしゃいますし、何度も起業する人を連続起業家(シリアルアントレプレナー)と呼んだりもします。

・自ら会社を設立する人

・2代目など事業継承者は社長は起業家ではない

実業家とは

実業家は「大きな事業を成功させた人や複数の会社を起業した人」といった意味になります

本来的な意味合いは、生産的行為や販売行為によって事業を営む人を指します。定義上は幅広いので、起業している必要もなく、ビジネスマンも該当するのです。

言葉は時代によって変化しますので、最初に記した「成功者」の意味合いで使用される方が今の時代に合っているものとご理解ください。キャリア上、ゴールとして目指す先というよりは、事業成功して結果的に事業家と呼ばれます。

・事業で成功した者を指す

・結果的に事業家と呼ばれる

経営者とは

経営者は「企業を経営している人」を指します。経営に関わる戦略・方針・計画を決め、会社自体への責任を持つとともに管理する人になります。

日本にある企業は360万以上とも言われます。そのため、のべ人数で言うと、経営者は360万人以上いるわけです。起業する必要はありませんので、2代目経営者もこちらに含まれます。経営者を目指している人は、会社を作ればその定義に当てはまるので、意外と簡単になれるのです。

ちなみに、社長は商習慣上の呼び方として使用されますが、経営者は企業経営権限を有しておりますので、少しだけニュアンスが異なります。

・会社を経営している人を指す

・起業家、起業継承者、出世など様々なケースがある

それぞれの肩書/役職に共通するもの

それぞれの肩書/役職に共通する特徴
それぞれの肩書/役職に共通する特徴

言葉の意味について理解はできたでしょうか。それぞれ異なる肩書きではありますが、共通する特徴も持ち合わせています。どれだけ特徴に合致しているかぜひチェックしてみましょう。

事業を作ったり拡大することが好き

そもそも事業を作ることが好きでないと、事業家にも、起業家にも、経営者にも向いていない可能性が高いです。

「何かを心の底から作りたい」「世の中の課題を解決したい」「儲かるサービスが作りたい」動機は自分に合った内容で問題ないですが、事業自体を作りたいと思えるかどうかが重要です。

経済市場には、ある種のゲームのような特性があります。お金を稼ぎ大きな数値をあげたものが勝者になるという単純なゲームです。そのゲームに勝つためには、お金を稼ぐための事業を作り、拡大する必要があるのです。このゲーム時代を楽しんだり、好きと思える気持ちこそ最も必要な特徴です。

人は誰しも嫌いなことをやりたくない生き物です。ですが、好きなことであれば、たくさんの時間や労力をかけて、心身を注ぐことができます。事業を作ったり拡大することが好きであれば、事業家や起業家になる素質があるのです。

失敗を恐れず新しい挑戦ができる

事業家や起業家になると、挑戦の連続です。挑戦には失敗がつきものですが、失敗を乗り越えて、成功を掴み取ろうという執念が必ず必要です。

失敗することは最初は誰しも怖いですが、実業家も経営者も、失敗を学びと捉えます。失敗は悪いことではないのです。成功や失敗を事実として捉え、次の行動へとどんどん挑戦できる人は、事業家や起業家に向いています。

戦略的思考能力がある

事業家や起業家になるためには、頭が良い必要は全くないです。学歴が高い必要も全くありません。ですが、戦略的思考能力が高いと言う共通点があります。

戦略とは「目標達成のために方向性を決めること」です。例えば、山を登ろうとしているのに、その山とは反対方向に進んでしまってはどうしようもありません。楽に歩いて登れるルートがあるにも関わらず、あえて崖からいくこともリスクが高いでしょう。「山に登る」という目的を達成することだけを考えて、適切なルートを導き出すことが戦略を考えるという意味です。

山の例では「反対方向に進むことはないだろう」「なんで崖なんか登ろうとするのか」と思ったでしょうが、ビジネスの世界になると途端に山がどこにあるのかさえも見えにくくなってしまうのです。

事業や経営に携わるものは、山の頂上をきちんと把握し、なるべく簡単な道を通ろうと考えることのできる人材です。

責任感が強い

事業や経営を担う場合、その責任は彼らの肩に全て乗ってきます。失敗したら役職を剥奪されるかもしれませんし、最悪の場合、仕事を無くしてしまう可能性もあるのです。

それだけ重い責任があるため、プレッシャーと戦う日々が待っていることも確かです。そんな責任をバネにして、期待値を超えるような働きをしようとワクワクできる人は、事業を受け持つにふさわしいでしょう。

強い情熱をもって諦めない

事業への燃え盛る情熱を持ち、諦めない強い心を持つ者こそ事業家や起業家、実業家、経営者です。

情熱を注ぐと言うのは、思考する時間や限られたお金を投資して、商売に勝つ気持ちを持ち、動き続けることです。言い換えるならば諦めずに走り続けるマインドと行動力です。

簡単に諦めてしまうと、事業は消失し、チームメンバーに給料が払えなくなってしまいます。反対に、諦めずに事業を信じて動き続けると、事業は成長しチームは豊かになっていきます。

事業を信じて戦い続けることのできる人こそ、事業を担える存在なのです。

それぞれの肩書/役職の特徴

言葉の意味や共通しているものを理解していただきました。最後に、自分はどのキャリアを目指していけば良いのかについて考えていきましょう。人にはそれぞれ性格や考え方の違いがありますので、自分の生き方に合ったベストな選択を見つけてください。

事業家に向いている人の特徴

事業家の最も大きな特徴は、会社員としてのキャリア形成が可能な点です。今勤めている会社や憧れの会社で、事業部長や事業責任者を目指したい人は事業家を目指しましょう。

必ずしも自ら会社を起こす必要はないので、会社の人・もの・金のリソースを活用することが可能です。それなりに大きな事業に関わりたい人は、会社員として事業家をめざすと良いでしょう。

実体経済を最も動かしているのは事業家だと思います。仮想経済的な事業期待値よりも、お金が実際に動く事業を作りたい人は事業家を志してください。

事業家に向いている人まとめ

・会社経営することにはこだわりがなく、事業を作ることが好きな人

・事業部長、事業責任者になりたい人

・雇用形態にこだわらず、会社員としてのキャリア形成にも興味がある人

・個人での資金リスクは極力減らした上で、安全に事業を持ちたい人

・事業規模の大きな事業に最短でコミットしたい人

起業家に向いている人の特徴

起業家は自らのビジョンが明確な人に向いています。既存企業で力を発揮するのではなく、自ら会社を起こし、自らの手で事業を成したいという強い思いがある方に向いています。また、機動性高く事業を作りたい人にも向いています。

事業内容にもよりますが、資金リスクを自ら負うため、事業家と比較すると安全性は低いです。クラウドファンディングや補助金・助成金をはじめとしたリスクの低い調達方法もあるので、必ずしも大きなリスクを負わない方法もあります。

とにかく自分で事業を起こしたい!…そんな情熱をお持ちの場合は、起業家を目指しましょう。

起業家に向いている人まとめ

・自らの意思で、自分の作りたい事業像が明確な人

・強いリーダーシップを発揮し経営を行いたい人

・事業を作るだけでなく、資金調達にも興味のある人

・既存企業では実現できないイノベーションを実現したい人

・資金リスクをとることに躊躇がない人

実業家に向いている人の特徴

実業家は、大きな事業を成功させた人や複数の会社を起業した人という意味合いだと説明しました。つまり、スタート地点を表しているのではなく、結果論に近い言葉なのです。

すでに会社を起こしていたり、事業を成功させている人は実業家を目指すことができます。まずは、事業家や起業家を目指すと良いでしょう。成功のあかつきには、実業家と呼ばれるでしょう。

経営者に向いている人の特徴

経営者は会社経営している人が該当しますので、会社勤めしながら出世したい人と、起業して自らの事業を持ちたい人に分けることができます。

すなわち、事業家から経営者を目指すケースと、起業家として経営者になるケースです。事業家と起業家の特徴は先に説明した通りですので、まずは事業家と起業家のいずれかを目指すか検討すると良いでしょう。

事業家とは?起業家、実業家、経営者との違いと共通する特徴まとめ

事業家や起業家などの言葉についての説明とともに、その共通点、向いている人の特徴について説明してきました。自らのキャリアのゴールイメージがつけば、この記事の役割は完了です。

いずれもビジネス成功者として呼ばれることが多い肩書になります。キャリアとして目指す先が決まったとしても、キャリアを実現するための戦略や戦術を構築していく必要がありますので、経験と知識を蓄えましょう。

優れた人材は、自分の中に、戦い方や考え方などをたくさん蓄積しています。そのために、様々な経験を積むことはもちろんですが、学ぶことで得られる知識も豊富にあります。事業開発.comは、事業家の輝く未来を応援するためのメディアですので、よろしければ他の記事も読んでみてくださいね。

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この記事を書いた人

古川 賢人のアバター 古川 賢人 事業開発.com編集長/株式会社イフビズ代表

事業家、起業家。ベンチャー企業創業および新規事業開発〜運用、大企業での新規事業開発〜運用まで経験。世界的経済誌Forbesにてアジアで活躍する30歳未満のリーダー人材(Forbes 30 Under 30 Asia 2021)として選出された他、グッドデザイン賞、日本ギフト大賞、ACC等受賞経験あり。事業開発人材=事業家の働きやすい環境作りや事業家育成が企業成長及び経済成長の鍵と考えている。

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