抽象化思考とは?【ビジネスマン必見】そのメリットと鍛え方を徹底解説

抽象化思考とは?【ビジネスマン必見】そのメリットと鍛え方を徹底解説

世の中のものごとは2種類に分けられます。「抽象」「具体」の2種類です。

「犬」は抽象的ですが、「チワワ」は具体的です。この事例は非常に簡単で誰でもわかりそうな内容です。

ですが、ビジネスシーンでの活用をしようと考えると、なかなか難しくなります。例えばラーメン屋に入った時に「ビジネスモデルは何か」「なぜ売れているのか」が即座に抽象化できれば、かなり抽象化思考能力が高いです。

抽象化思考を活用すれば、ビジネスモデルの理解、強みの理解、アイデア出し、議論進行、プレゼンテーション、交渉…などなどを言語化する際に大きく役立ちます。

  • ものごとをうまく伝えることができない
  • 全体像を捉えることが苦手
  • 今よりも上流の仕事をしてみたい

上記のような悩みをお持ちの方はぜひ抽象化思考を身につけて、他のビジネスマンより一歩先を進みましょう。

この記事を読むとわかること

・抽象化思考が何かわかる

・抽象化思考のメリットがわかる

・抽象化思考の鍛え方がわかる

この記事を書いた人

古川賢人

古川賢人 事業開発.com編集長/株式会社イフビズ代表取締役
事業家、起業家。ベンチャー企業創業および事業開発〜運用、大企業での事業開発〜運用まで経験。世界的経済誌Forbesにてアジアで活躍する30歳未満のリーダー人材(Forbes 30 Under 30 Asia 2021)として選出された他、グッドデザイン賞、日本ギフト大賞、ACC等受賞経験あり。事業開発人材=事業家の働きやすい環境作りや事業家育成が企業成長及び経済成長の鍵と考えている。

目次

抽象化思考について

まずはじめに、そもそも抽象化思考とは何なのかみていきましょう。

抽象化思考とは

抽象化思考とは、具体的なものごとから本質を見極め、理解・応用する能力です。具体的な事例やデータから共通のパターンや本質を抽出し、抽象的に昇華します。

この思考法は、複雑な問題をシンプルにし、効率的に解決するための強力なスキルです。現代のビジネス環境では、急速に変化する市場や複雑なプロジェクトに対して迅速かつ的確な対応が求められます。抽象化思考を身につけることで、ビジネスにおける競争力を大きく高めることができます。

物事の本質とは何か

物事の本質とは、そのものの根本的な性質や特質を指します。表面的な特徴や一時的な状態ではなく、長期的に変わらない核心部分を見極めることが重要です。

例えば、体験したビジネスをすぐにビジネスモデルとして捉えることができたり、ビジネスのどこに強みや弱みがあって、なぜ人が購入しているのか想像できれば、様々なことに活用することができます。

…とはいいましても、なかなか抽象化思考を身につけることは難しいです。ですが、日常生活では多くの方が抽象化思考を行っています。

例えば、「犬」という概念について考えてみましょう。街を歩いていて散歩しているチワワがいたとします。あなたはとっさに「犬」とわかるでしょう。「四つ足で歩く」「吠える」「忠誠心がある」「人間と一緒に散歩している」などの共通点を持つ動物全体を指す言葉として「犬」を抽象化して捉えているのです。

同じように、「植物」「花」「車」「道路」「お店」「家」「マンション」など、具体的な物を見て、それを抽象的な概念に即座に変えることは簡単なはずです。

ビジネスにおいても、「これは〇〇のビジネスモデルだ」とできれば物事の本質を理解できていることになるのです。

具体と抽象の違い

具体的な思考は、目の前の事実やデータに基づいて行動することを指します。一方、抽象的な思考は、その具体的な事実から一般的な原則や法則を見出すことです。

具体的な思考が「細部」に焦点を当てるのに対し、抽象的な思考は「全体像」を把握することを目指します。つまり「木を見て森を見ない」という言葉の通りです。「木」は具体的な物事で「森」は抽象的な物事です。

ビジネスでは、具体と抽象の両方の視点をバランスよく使い分けることで、状況に応じた適切な判断や戦略を立てることができます。具体的な思考は、現実的で実践的な解決策となりますが、抽象的な思考は、より広範な視点から戦略や考察することに役立ちます。

例えば、取得したデータを基にした販売戦略の調整は具体的な施策です。対して、複数の施策をまとめて方向性を決めることは抽象的に戦略を決めていることとなります。

具体と抽象のバランスを保つことで、より効果的なビジネス戦略を構築することができるでしょう。

抽象化思考の活用メリット

抽象化思考の活用メリット
抽象化思考の活用メリット

抽象化思考を活用するメリットについて解説していきます。いわゆる「上流的思考」に役立ちますので、役職が上がったり、マネジメントの必要が出てきり、経営に関与したり、そんな状況では抽象化思考は非常に有益です。

発想の幅を拡張できる

抽象化思考を用いることで、既存の枠にとらわれず、新たな視点から物事を考えることができます。革新的なアイデアやソリューションを生み出したいときに、抽象化思考は非常に便利です。

例えば、新製品の開発において、過去の成功事例を抽象化し、新しい市場に適用することで、競争力のある製品を生み出すことができます。

法則性を捉えられる

抽象化思考は、複数の事例や現象から共通するパターンや法則を見つけ出す力を育てます。これにより、異なる状況でも適用可能な原則を理解し、応用することができます。

例えば、異なる業界で成功しているマーケティング手法の共通点を見つけ出し、自社のマーケティング戦略に組み込むことで、効果的な施策を打ち出すことができるかもしれません。

法則性を捉えるためには、多くのデータや事例を分析することが重要です。データ分析を通じて、隠れたパターンやトレンドを見つけ出し、それを抽象化することで、広範な応用が可能となるのです。

問題解決能力が高くなる

抽象化思考を持つことで、問題の本質を見極め、効果的な解決策を導き出す能力が向上します。複雑な課題にも迅速かつ正確に対応できるようになります。

問題解決力の人材はどこでも重宝されます。

例えば、プロジェクトマネジメントにおいて、問題の根本原因を特定し、その本質を理解することで、再発防止策を講じることができます。

柔軟性が上がる

抽象化思考は、固定観念にとらわれず、柔軟に物事を考える力を養います。変化する環境にも適応しやすくなります。

新しい技術や市場の変化に対して、柔軟に対応することで、ビジネスチャンスを逃さずに済むのです。

応用力が上がる

抽象的な概念を理解することで、異なる状況や分野に応用できる能力が高まります。

例えば、ある業界で成功したビジネスモデルを他の業界に適用し、新たな市場を開拓することができます。応用力を高めるためには、異なる分野や業界の知識を広げることが重要です。

抽象化思考の鍛え方

抽象化思考の鍛え方
抽象化思考の鍛え方

さて、抽象化思考のメリットがわかったところで、その鍛え方についてみていきましょう。

物事の共通点を探す

日常の様々な事象や問題に対して、共通する特徴やパターンを見つけ出す練習をしましょう。これにより、抽象化思考が自然と身につきます。具体的なトレーニング方法は以下の通りです。

ランダムワード連想

2つのランダムな言葉に対して、その共通点を見つけるというトレーニングです。

例:「犬」と「リンゴ」の共通点は何でしょうか? (答え:どちらも「赤い」)

一見関係なさそうなもの同士の共通点を見つける力を養うことができます。

カテゴリー分け

様々な言葉の共通点に基づいてカテゴリー分類するトレーニングです。

例:「犬、猫、鳥、魚」を、動物の種類、大きさ、鳴き声など、いくつかのカテゴリーに分類してみましょう。

体系的に考える力と、共通点を見つける力を養うことができます。

見える化する

複雑な情報やデータを視覚的に整理することで、抽象化のプロセスを理解することができます。

図表やマインドマップを活用して、情報を構造化しましょう。視覚的に情報を整理することで、全体像を把握しやすくなり、本質を見極めるトレーニングになります。

マインドマップ

ある中心的な言葉から、関連する言葉を放射状に書き出していくトレーニングです。

例:「創造性」をテーマに、マインドマップを作ってみましょう。

様々なアイデアを自由に発想したり、物事の繋がりを理解するのに役立ちます。

ガントチャート

ガントチャートは、具体的なプロジェクト管理やタスク管理に用いられる棒グラフ状のタスク一覧表です。

例:「カフェのオープン」をするために必要な項目を洗い出して、階層ごとにまとめてみましょう。

具体・抽象の両軸で思考する良いトレーニングになります。

以下の記事で、マインドマップやガントチャートについて解説していますので、よろしければご参照ください。

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ビジネスモデルを学ぶ

様々なビジネスモデルを学ぶことで、抽象的な概念の理解が深まります。

成功したビジネスモデルの共通点を分析し、それを自社のビジネスに応用するなど考えてみましょう。

例えば、サブスクリプションモデルやフリーミアムモデルなど、異なるビジネスモデルを学び、自社のサービスに適用した場合にどうなるか考えてみてください。

フレームワークを学ぶ

ビジネスや問題解決に役立つフレームワークを学び、実際に適用してみることで、抽象化思考のトレーニングになります。これにより、効果的な思考プロセスを身につけることができます。

例えば、SWOT分析やPEST分析などのフレームワークを活用することで、ビジネスの戦略を構築する能力が向上します。フレームワークを用いることで、複雑な状況でもシステマティックに問題を分析し、適切な戦略を立てることができます。

まとめ

抽象化思考についての理解は深まったでしょうか。

本記事では、抽象化思考の基本概念から、その活用メリット、そして具体的な鍛え方までを詳しく解説しました。抽象化思考を身につけることで、発想力や問題解決力が向上し、柔軟性と応用力も高まります。

抽象化思考を活用して、「ものごとをうまく伝える」「全体像を捉える」「より上流の仕事ができる」ようにぜひなってください。

本サイト事業開発.comは、事業開発人材のための情報をまとめています。事業開発人材も、ぜひ抽象化思考を身につけて事業を推進させてくださいね。

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この記事を書いた人

古川 賢人のアバター 古川 賢人 事業開発.com編集長/株式会社イフビズ代表

事業家、起業家。ベンチャー企業創業および新規事業開発〜運用、大企業での新規事業開発〜運用まで経験。世界的経済誌Forbesにてアジアで活躍する30歳未満のリーダー人材(Forbes 30 Under 30 Asia 2021)として選出された他、グッドデザイン賞、日本ギフト大賞、ACC等受賞経験あり。事業開発人材=事業家の働きやすい環境作りや事業家育成が企業成長及び経済成長の鍵と考えている。

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